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VFR400R(NC30)でたまにミニサーキット走行。C24セレナ(トランポ)と時々カメラのお話し。
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これまでのあらすじ
 
大きな河川を跨ぐ4車線の橋梁。家路を急ぐ訳ではないが、考えるとはなしに車の間を縫うように走る。
ふと遠くで信号が黄色に変わるのが見える。行けないコトもないが、3速2速1速とシフトダウン。1〜2台の車の間を慎重にすり抜けて停止位置までR1を進める。何せ家路を急ぐ訳ではないのだ。

信号待ちは手持ち無沙汰。グローブの些細な解れを見ているようで見ていないような…自分にとってまったくどうでも良い時間。気が付けば左右の信号が変わる事だけを考えている。
いつも通りの信号待ち。いつも通りの無駄な時間。

すると左のファミリーカーの運転席のパワーウィンドウが妙に耳につく音を立てて間抜けなほどゆっくりと下がる。

『にいちゃん、ずいぶん良い音だして乗ってんな!』
「はぁ…そうですか?」

自己と他を区別しようというほど横暴な人間ではないが、ふいに話し掛けられて気さくに返答出来るほど柔軟な人間でもない。
そうあれたらまた違う在り方も出来るのだろうと考えはするのだが。

『それ何ccだ?』
『何キロ出んだ?』
『そんなに出んのか!?危ねぇな!』
『まぁ事故んねぇように気をつけろよ!』

そんな事は言われなくても判っている。
自分が本当にそんな事を言われなければ判らないような人間であったなら、とっくに死んでいる。そうじゃなければ誰かの人生を奪っているはずだ。

『何キロ出るか』と『何キロ出すか』はまったく別の話だと思うのだが…同じ価値観を共有出来る人間は極めて少ないものだ。
判り合えないものならば、それはないものと同じ事だと考える。
99.9は決して100ではないし、100じゃないなら何もいらない。
こういう人間だからこそバイクに拘るのだろう。
バイクは同じ価値観を共有出来る人間がいたとしても走っている時は常に一人だ。

乗る人間と乗らない人間。
結局の所、どれだけ格好をつけてみても最後には自己と他を区別しようとしているのに気付く。

それは自分を護ろうとするあまり無意識に発している感情から来ているのかも知れない。
それは自分自身の弱さがそうさせているのかも知れない。

理想とする自分に近づくのは容易ではない。
でもちょっと待って。その理想は本当に理想の形なのか?

いつもの通り答えのない答えを求める、餓えにも似た感情がアクセルを引き絞る。
バックミラーの中で小さくなって行くもう二度と出会う事のない出会いに踏ん切りをつけるように…。
 
 
とかなんとかまったくあらすじでも何でもない文章を書いてみましたけど。書きたかったんで。
だってなんか腹が立ったんだもの。良く判んねぇけど。。
 
で、力の限り前置きが長くなりましたけど、ブレーキのメンテをしたんですよ。ピストンの揉み出しとか。

揉み出しってのは早い話アレですよね。全部のピストンが同じように出て来るように慣らしてやるっていう作業な訳ですよね。
元々は天下のヤマハ発動機が市販車として出してるバイクのパーツな訳だから、ちゃんとしてればちゃんとしてんだろう、と。
 
そんで、ブレーキキャリパーが動作する構造ってのは、レバーでブレーキホースの中のオイルを圧迫してピストンを押し出してパッドがディスクを挟んで車体を止める。
押し出されたピストンは引きずり出されたシールが戻ろうとする力を利用して元の位置に戻るってな訳ですよね??
そんならシールが戻ろうとする微々たる力を極力邪魔しないようにしてやれば良いんでしょ!?ってなコトで。
 
ピストンに薄くグリスを塗って押し戻す。
ピストンが飛び出さないようにプライヤーの柄か何か適当に硬いものを挟みつつ慎重にレバーをポンピング。
キャリパーに溢れたグリスをキレイに拭き取ってまたポンピング。
グリスを塗って押し戻してピストンが飛び出さないようにプライヤーの柄か何か適当に硬いものを挟みつつっていうのを数回繰り返していると、そのうち大体同じように動くようになる。
 
異系potだからなのかR1のだからなのかは判らないですけど、径が小さい方が動きは弱いみたいですね。。
 
で、ピストンがシールの戻る力で元に戻る時にはパッドも一緒に戻らないといけない訳ですけど、パッドとピストンを接着する訳にもいかんので、パッドのピストンと接する面にグリスを塗ってやる訳ですな。
 
パッド
 
これでベタっとつられてパッドも戻る、と。
この作業をフロント2つとリア1つって感じで。
 
洗い終わったお湯を見てみるとこんなに汚れてましたぁー。みたいなノリで。
 
オイリーなバケツ
 
使った歯ブラシなんか元グリスのようなオイルのような得体の知れないもので再起不能に近いベタベタ具合ですよ。
で、実際にグリスを塗って組んでみると改めて思うんですけどね、ただでさえサーキットでブレーキを酷使してカスがワンサカ出て来る部分にそのカスを捕らえて離さないグリスがバッチリ塗ってある訳だから…なんだったらサーキットを1回走る度にメンテするくらいの頻度が必要なんじゃねぇのかと。
 
そんで、メンテスタンドを立てたついでにチェーンの掃除とグリスアップをして、グリスが馴染むまで暫く待ちながら道具を片したり手を洗ったりしてると、良い感じの時間が過ぎていよいよインプレですよインプレ。
だいたい1コ40分くらい時間が掛かったんで、なんだかんだと2時間ちょいな訳ですけど、そんだけ時間を掛けた程の効果が体感出来るもんだろうか…とか若干ネガティブなノリが押し寄せてくるのをグッと飲み込んで駐輪場からいつも暖気してるトコまで取り回す訳ですけどね…。
 
エンジン掛けるまでもないです!
 
今までフロントからコーーっていう音が出てたってのは、アレ軽く引き摺ってたな、と。
押して歩くのに何の抵抗も感じないし、自分のR1ってこんなに軽かったのか!なんつって。
 
今までのロスが本来のパワーの数パーセントとかって話だと思うんですけど、その数パーセントでこんなにも違うもんかと腰が抜けそうな、顎が外れそうな、腰が抜けて顎が外れたっていうような、そんな気分です。
チェーンも一緒にメンテぶっこいたっていうのと合わせてっていう動きだとは思うんですけど、押して歩いてる時はもちろん、アクセルをオフにして空想してる時の転がりが明らかに軽いんですよね。
 
もちろんブレーキのフィールもカチっと戻って良い感じで、握った分だけキッチリ仕事します!っていう。
だいぶ喜んだし、それ以上に反省しました。
 
そもそもブレーキ引き摺りが原因で1KTを焼き付かせた過去の持ち主だろうが、と。
ちょっとメンテナンスっていうものの考え方が380度くらい変わっちゃいましたよ!
 
いや、1周回ってちょっとした反省っていうか、当たり前だろ(笑)っていうのもあるって言えばその通りなんですけどね…。
 
 
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