それでも僕らは走り屋なんで(笑)

これまでのあらすじ。

 

初めて家出を決行したのは3歳を少し過ぎた頃。

今となっては理由も覚えていないが、家を出る決意をしたコトだけは良く覚えている。

これから一人で生きて行くに当たって強くなければならないと考えた自分は『のりはしのお宝置き場』からゴレンジャーのヘルメットを取り出して被り、プラスチック製のお気に入りの刀を腰に差し、ばあちゃんが使ってた風呂敷をマントにして『あとは仮面ライダーの変身ベルトがあればバッチリなのに…』と思いながら家を後にした。

 

近所の2車線の道路。田舎の道にしては車の往来が激しい。

物心ついた頃から『あの道路だけは渡ってはいけない』『あの道路を一人で渡るとすぐにオバケがやって来てオバケの国に連れ去られてもう2度とおうちに帰れなくなる』と教え込まれていた。

かなり長い時間その道路を遠巻きに眺めて躊躇していた自分は、意を決してヘルメットのあご紐をキツく締め直して走って渡った。

オバケが追いかけて来ているような気がして、決して止まらず振り返らず、息の続く限り走った。

気が付くと知らない公園の前、まだオバケは現れていなかったが、知らない場所に一人でいるコトがとてつもなく不安を煽り、急に泣き出してしまいそうになるのを必至にこらえるのりはしだった…。

 

いや、昨日の続きを書こうと思っていろいろ思い出していたら幼少の頃のわんぱくな思い出まで遡ってしまった訳ですけれども。

 

そんなこんなで昨日はまたハットリと2人でいつもの如く無計画にブイブイっと走り回って来たんですよね。

 

で、富士山の新五合目の駐車場からクネクネした道をエンジンを切ってニュートラルの状態で惰性で降りるっていう、かなり面白い遊びを開発したんですけども、コーナー手前のブレーキングとライン取りでその後のスピードの伸びにかなりの差があるってのがまた面白くて、ハットリと2人で熾烈なデットヒートを繰り返しつつ下まで降りて来た。そんな僕らはダッフンダ三十路ライフ折り返し地点を過ぎたトコ。見た目はちゃんと歳を取ってるのに何かがおかしいです。

 

そんで思いつきで沼津港に着いて海の幸を奮発したトコまで昨日書いたんですけども、そこからハットリの10Rに交通安全な何かをってコトで、これまた思いつきで川崎大師に行くコトになった。

 

沼津から川崎っていうと、東名と神奈川K2でだいぶ路線が違うのでどうしたもんか…ってコトでハットリが携帯の地図で道を調べたりしたんですけども『一応こんな感じらしいんだけど…判る？』『さぁ…？？』みたいな。ホント大丈夫なのか！？っていう組み合せですけども、取りあえず海老名までブイブイっと行ってみようってコトで走り出す。

 

東名沼津からサクっと高速に乗って海老名まで移動。猛烈な暑さにクラクラしつつ水分補給。

 

 

グイっとセルフ スーパーハイオク満タンで！という怪しい飲み物を買ってみる。

飲んでみるとビーストアイ・エナジードリンクとかなり似た味で、何処となく後味が薬品臭いのはナイアシンのせいだろう(笑)

 

ハットリの携帯で見てもイマイチ良く判らないものの、1度降りて一般道を通って何とか新道を目指せばそれとなく知ってる道にスイッチ出来そうな匂いがしたので『良し！もう大丈夫！オレに着いて来い！！』と言った時のハットリの顔が微妙な表情を浮かべていたのは朝イチで『ところでハットリ、さっきから道に迷っているんだがどうしたら良いだろう？？』というセリフを吐いた効果だろうか。

 

実際に走ってみると、横浜町田で降りてから何とか新道に乗り換えるまでは地図で見た一般道っていう感じではなく、専用の側道みたいなイメージで迷いようがなかった。ちょっとした気持ちの良い道だったような気がする。

 

そんで川崎の大師出口で降りてみると、目の前にそれらしい建物がある。

 

 

おもむろに門が閉まってるけども。

 

でもですよ。

僕が思うに川崎大師ってこんなモスクワにありそうな建物じゃなくて、如何にも寺って感じの建物だったような気がするんだけどなぁ…と思いつつ、その辺を歩いてた生き物を捕獲して『川崎大師ってのはコレのコトなのですか？』と聞いてみると、『これは忙しい現代人が車に乗ったまま参拝出来るようにとあみだされたドライブスルー大師なのですよ。恐らく貴様らが求めている川崎大師はアッチの方にある本殿の事であろうな…おほっほっほっ』と言い残してその辺を歩いていた生き物は去って行った。いろいろウソを交えてお送りしております。

 

で、その生き物がアッチの方と指差した方に向かって暫く走ってみると、道路の切れ間からソレらしい建物が見え隠れし出したので、細々した道を行ったり来たりして漸く近所の駐車場にバイクを停める事が出来た。

 

一般道を多用して移動したのもあって、沼津港から川崎大師に着く頃には夕方5時を少し回ってた。

仲店も軒並みシャッターが閉まってて、参拝客も殆ど見受けられない。

 

 

『こりゃぁお守りは無理かな…』と思いつつ、門は開いてたので、せめてお参りくらいはしてこうってコトで境内に足を踏み入れる。

 

その煙を浴び続けるとIQ200オーバーの可愛らしくないガキが出来上がるという謎の器具にも蓋がされ、本来は賑わっているであろうおみくじや絵馬を売っている小さい建物もすべてシャッターが閉まっている。

 

静まり返っている境内を更に進んで本堂に到達。

お賽銭的なものを投げ入れて交通安全と実家の家族の人達の無病息災を祈願したりして帰ろうかと振り向き様に、奥まった場所に何やら坊主が立ってるのが見える。

 

近寄ってみるとお守りを売ってんじゃないですか！

 

交通安全のお守りを物色して、ミニミニお札みたいなのを買おうと思って坊主に話し掛けると『シールになっているのもありますよ♪』と見事にコチラの好みを知り尽くしているかのような指摘。これが修行の効果というものか。

 

そんな訳で新しいお守りをゲット。

 

 

2年間に渡って僕を事故とオマワリから守ってくれた富士山大社のお守りを返納して、やはり同じ場所、ETCのユニットに貼付けといた。

 

近所の公園で少しのんびりしてから出発。

そのまま流れ解散でも良かったんだけども、ちょっと前にハットリの10R納車記念夜遊びの時にも最後に寄った平和島を通過したのでなんとなく寄り道。

 

 

もう7時を回ろうかって時間なのにこんなに明るい茜色の空。

昨日はいつものBullet Viperなただただ走り続けてるだけじゃなくて、ちゃんとツーリングしたねっつって(笑)

 

無計画なのは相変わらずだけども、こんな風にツーリングっぽいのって初めてかも知れないf(^_^;)

 

そんなこんなでもうだいぶ良い感じに歳を重ねて来たけども、相変わらず僕らは16で原付免許を取った時から、中身が大して変わってない。

変わったって言えば歳相応に劣化してる見た目と1日に走れる距離くらいなもんだ。

 

そんな僕らの大事な看板も来年で結成20周年。
 

 

気が付いたらRacing Team Ghostではなくなっていて、更にBullet Viperさん達はサーキットも走るけどその辺をウロウロするのも好きで、かと言ってレースとかをする訳でもなければ峠を走る訳でもない。

 

良く考えたら僕らはなんなんだろうと不思議に思ったのだけども、結局よく考える必要すらなかった。

 

僕らはバイクに乗せとけば常にご機嫌で、16の時と今である意味まったく成長してない部分があって、バイクが好きで、走るコトが好きで、歳を取ってもそれを理由にしたりしない、貴重な仲間だ。

 

10代の頃にあんなにたくさんいたバイク仲間もたかだか20年で片手で足りる人数。

Bullet Viperにsをつけないのはどうせ走ってる時はみんな1人だから。

それでも僕らはTeam Ghostの中の1人ずつ。

 

どうだ里川先生。

2代目ゴーストはイカスだろう！？(笑)

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