10代の頃の己なんざトゲトゲしくて、言ってみればウニがバイク乗ってるようなもんだった訳ですよ。ウニ。

キリンが好きな訳ですけれども。

ぞうさんはもっと好きって訳ではもちろんなくて、バイク漫画のキリンの方。

キリンを知ったのは確か何処かの本屋の漫画コーナーをなんとなく見てた時で、刀が表紙の単行本に興味をもって手に取ったのが最初だったと思う。

当時いろいろあってスポーツバイクからは遠ざかっていて、和製アメリカン、スティードに乗ってたのもあって、BGを買ってもいなければ立ち読みもしてなかったので、キリンっていう漫画の存在をまったく知らなかった。

何巻だったか覚えてないけども、そこにあったのは全巻買って帰って、それから今に至るまでまだ買い続けている。

関係ないけど実家を出てからは週刊誌の類いは物凄く無駄だと感じるようになって、漫画は単行本派、主にジャケ買いになった。

で、キリンってのは初めのうちはシリーズ毎の繋がりがあって、途中からはシリーズ毎にまったく別のストーリー展開をするようになったけど、『キリン』っていう人物と刀っていうバイクがキーになるっていうとこは変わらない。

自分が感じるキリンの魅力ってのは、バイクの描写やバトルの情景なんかよりも、登場人物の人間臭さだと思ってるので、印象的な台詞や描写ってのがたくさんある。

初めてキリンの単行本を買ってから10何年か、正確にはもう判らないけども、そうこうしているうちに自分も歳を重ねている訳で、長く生きれば考え方も少しずつ変わるもんですよね。

今初めから読み返してみると、自分の過去に照らし合わせて苦笑いするようなシーンや恥ずかしくて顔がポッポー♪なシーンがたくさんあって、自分の価値観やその手のものがずいぶん変わっているのだと気付く。

15歳の頃、誕生日が早いヤツが16歳になって原付免許を取ってきたのが羨ましくて、ちょっと嫉妬っていうか遠く感じてみたり。

16歳になって自分も原付免許を取って、自転車からスクーターやNチビに変わって行動範囲が一気に広がって浮かれているうちに中免（今の普通2輪）を取って250とか400ccのバイクに乗ってるヤツにちょっとコンプレックスを感じたり。

自分も中免を取ってNC30とか1KTを乗り回すようになる頃には、車の走り屋を敵視するようになって、『車に乗るようなヤツは仲間じゃない』とか、『オレは一生バイクだ！』って妙に鼻息を荒くしたり。

18になっても面倒で暫く車の免許は取らないでいたのだけど、母親が『車の免許があった方が便利だから取っておいでよ♪』ってうるさいので普通免許を取りに行って、あれだけ取ってこいと言うからには免許代は出してくれるのかと思いきや自費だった罠に掛かって、取ったら取ったで車は便利だったり。

中免しか持ってない時は走り屋スポット的な場所やらコンビニなんかで大型のヤツに『大型は良いぞ♪』とか言われると内心ビキビキビキっとキレていて、『オレだって金がありゃぁな…』とか、『お前が大型に乗ろうと中型のオレの方が遥かに速いってんだよクソがっ！！』とか、終いにゃ誰に対しても『同じバイクに乗ったら絶対オレの方が速い』とか思ってた（笑）

自分の免許に制限がなくなってみると、アレは大型っつぅか限定解除に対するコンプレックスっていうよりも、ケツが青かっただけっつぅか…今すぐ手に入らないものに癇癪起してただけだなf(^_^;）

そんなケツの青い過去を思い出して苦い思いをさせる効果もある恐ろしい漫画。キリン。

何故急にキリンの話しを語り出したのかと言えば、R1を車検でノーマルに戻すに当たって、ノーマルのタンデムシートをワイヤーで開けるようにするパーツとかをしまってる普段アクセスしない収納をゴソゴソしていたら、チョースケのマウスパッドが出てきたから。



普段は買わない雑誌の類い、でもオマケには弱いので買ってはみたものの、光学式のマウスだとジャミングするので使わないでしまっておいて、そうこうしているうちにトラックパッドで作業するようになったのでマウスパッド自体の需要がなくなってしまった。

こういうところからも歳月を感じるのだな…。

キリンはどのシリーズも好きだけど、やっぱりチョースケとマサキともひ（レジェンドじゃない方）がRAMを拠点にして話しが進んでた辺りが1番好きだな。

そんでその辺りのマサキの言動が1番青い過去の記憶を『ひゃー…』ってするのだな（笑）