帰って来たBullet Viper後編

〜前回までのあらすじ〜

 

とある中学校、授業を終えた生徒達がまばらに見える通学路。

今年の春に新設された新体育館からは剣道部とバレーボール部の練習の声がかすかに聞こえる。

 

そんな校門からまださほど離れていない場所を、やや離れて歩く二人の男女。

並走する線路を乗客もそれほど乗っていない4両編成の電車が通り過ぎる。

 

轟音とともに巻き上がるいたずらな風。

慌てて鞄でスカートを抑える。

 

『キャっ……見た？』

『見てないみてない（笑）…ってかお前さ…好きなヤツとか…いるの？』

『え？？急に何？キモイんだけど…（笑）』

『いやぁ…別に深い意味はないんだけど…お前全然男っ気ないじゃん？』

『余計なお世話ですっ！いても教えません！』

『顔も別に悪くないんだけどね…何が悪いん…』

 

ゴカっ！

 

先ほどはスカートが巻き上がるのを押さえるために使われた鞄の角が右ひざに綺麗にヒットした。

 

『余計なお世話だっての！ばぁーか！』

 

ひざを押さえて声にならない声を上げる男子生徒を残して走り去るその顔には、夕陽が射して赤らんでいた。

 

 

さて、全然関係ないあらすじを打ち立ててですね、昨日やじさんのブログで見掛けて羨ましくなったバスバーガーを食べに大津まで行って来た訳ですよ。琵琶湖のほとりってヤツです。

 

前日の深夜12時を超えていきなり6時間後に集合だ！と呼び出されたハットリと一緒に。

 

いや、来る方も来る方だと思うんですけども、とにかく海風に煽られて死ぬ思いをしたりあまりの寒さに指先が壊死するんじゃないかという困難を乗り越えて念願のバスバーガーを食べたってのは昨日書いた通り。

 

あ、参考までに僕はさいたま市在住で、ハットリは千葉市在住です。

安定のBullet Viperクオリティ。何の考えもなしです。

 

そんで、500kmもの距離を乗り越えて到達して、食べるもん食べて、『よし、帰るかっ！』ってf(^_^;)

 

僕らに言わせるとやはりコレはツーリングではなくて、『ちょっとそこまでバスバーガーを食いに行った』なんですよね。何しろ一番の目的はバイクに乗って移動するコトなので（笑）

 

ところで新名神高速道路とやらを走ってるうちに雪やら雨やらに晒されてバイクがエラいコトになった。

 

 

何か白い粉っぽいものがカウルとヘルメットに大量に付着してる。

ハットリが言うにはコレが噂の雪対策、塩カルビってヤツらしい。

 

で、僕先攻で走り出す。併設された出口からETCゲートを潜って表示された金額に衝撃を受けてお茶碗を持つ手がどっちかも判らなくなった結果、すぐ目の前のはずが迷走するコト1時間。さすが安心のBullet Viperクオリティ。道に迷わせたらプロ級の腕前（笑）

 

地図で見ると小指の先ほども離れていない場所から高速道路に再突入。

 

初めの計画では大津の上りで乗り直して草津PAで給油をしようってコトになっていたのだけど、微妙にそこは過ぎていて、フューエルトリップがついたまま名神高速道へ。

 

走ってりゃすぐスタンドがあるだろう…と思って走ってもスタンドマークの看板が出て来ない。

 

菩提寺PAというのを過ぎた辺りで初八戸の帰りにガス欠したビターな思い出が頭をよぎる。

 

竜王という、勇者の人がムラムラしてしまいそうな名前のトコでおりてやりましたわっ！

 

ハットリが近くの人から情報を調達して4kmほど離れたスタンドまで給油しに行った。

 

かなりぐっと来る残り燃料だった（笑）

ナイス判断！珍しく良くやった！自分！！

 

ハットリが調達した情報によると、あのまま走ってたら次に給油出来るのは30km以上先だったらしい。危うくガス欠アゲインなトコだった。

 

給油を終えたらすぐに同じ竜王から名神高速道路へ。

ってか帰って来てから地図を見てたらこの竜王ってトコから安土城跡がすぐそこだったんですね！最近山岡荘八の織田信長を読み返したばかりなので、今更ワクワクするのやらガッカリしたのやら。。

 

で、ガス欠の心配もなくなったことだし、いっちょバヒューンと帰るか！とテンション上げて走り出した直後、『雪、走行注意』の表示。

 

なにそれ…orz

 

その上雨がポツポツして実際バカでかい粒の雪がじゃんじゃん降ってきたし…。。

 

でも道に積もってる訳でも凍ってる訳でもないのでガシガシ進む。

何しろBullet Viperのルールでは前を走ってるヤツがルートとペースを決めて良いのだから。（ただし長距離トラックの後ろでペースを合わせて超安全運転）

 

僕としてはこのまま一気に進めるだけ進んでしまおうと思ってたんですけども、ハットリが追い越して来て次のSAに入るように指示を出して来た。

 

多賀SAというトコに入ります。

 

 

依然として雪も大粒で、山に掛かってるモヤから察するに、ココは恐らく遠くから見たら雪雲の中です。ディアブロスーパーコルサを履いたリッターSSが居てはいけない場所のような気もします。

 

ここで、ハットリと引き返して風にビュンビュン吹かれてエラい目に遭いつつも道が乾いている道路を選ぶか、このまま立ち往生しかねない道を進むかの作戦会議を開きます。

 

ハ『おいのりはし…これこのまま進んだらヤバいべさすがに？』

の『良しOK！Bullet Viperに後退はない！ほら見ろ、あっちの方は晴れている♪』

 

と、後から考えたら進行方向と全く違う方を指差して走り出したのです。

 

でもですね、インフォメーションやらヤフー天気やらを見るに、このまま中央道を目指すとかなりシュールなコトになりかねないってコトで、小牧JCTを中央道には向かわず東名方面へ。結果的に来た道を引き返すコトになったけど、例の海風が恐ろしい伊勢湾岸自動車道はかわせたので結果オーライ。

 

この辺りからポイントは『今日中に帰れるか？』っていうコトになり始める。

 

指先の感覚がなくなって、ペースも上がらず、それでも少しでも距離を稼いでおきたいという気持ちと葛藤しつつ、守山の辺りで限界を迎えた指先をなんとかねじ伏せてもうひとつ先のパーキングへ。

 

 

東郷くん、怪我の調子はどうですか？

早く直して戻っておいでー♪

 

というのを書きたくて無理をしたお陰でハットリとふたりでガクブル…ほんとにグローブ外したら指も一緒に取れてしまうのではないかと思った（笑）

 

いや、笑いごとじゃないんだけど、そもそも…ほら。僕らはアレだからf(^_^;)

 

で、また走るコトうん十キロ。東名牧之原SA上り。

 

 

ここって少し前に茶まん食ったトコの反対側じゃねぇのか？？とか思いつつ、外はすっかり暗い。

陽が落ちると寒さも一気に加速する。ヤベぇ。。

『看板に東京とか見慣れたアレが出て来るともう帰って来たって感じ出て来るよなぁ…（笑）』とか談笑しつつ、陽が暮れてずいぶん立つというのにまだ静岡に入ったばかりという事実（笑）

 

朝仕込んだつま先ホカロンが役目を終えた様子なので手のひらとつま先に再投入。

 

 

給油をしつつ出発。

指先やらなにやらかなり厳しい状況になっているのにも関わらず、往路で通過した浜名湖SAで写真撮りたいなぁ…とか、夜の富士川は素敵かも知れないなぁ…とか、脳内はかなりハッピーな感じで一気に海老名へ。

 

 

微妙に時計が見切れてしまったけど、この時点で夜の10時。

朝の7時に集合して15時間。

 

ハットリと知り合って25年。

相変わらず僕らは安定してバカ。

 

お互いにこうしていられるコトがどれだけ幸せか？って話しをしたりしつつ、あまりの寒さに今日は東名方面で遊んだ帰り恒例の用賀でウダウダはなしで流れ解散。

 

僕は山手トンネルからさいたまへ、ハットリは首都高経由で千葉へ。

 

別れ際の以心伝心。

あいつ相変わらずカッコ良いな（笑）

 

いや、ね。

普段っていうかここまで寒くなければ、僕とハットリが二人で走る時は、面白そうな何かが発生しなければ大体1度走り出すと200kmは走るんですよ。走るコトが目的なので。

 

なので、普段のペースなら朝海老名に集合したら大津まで往復して飯食っても暗くなる前には海老名にいる勢いなんです。

 

でもダメだ…手の感覚がなくなるほど寒いのはいただけない。

 

蛇って冬眠するんですよ…うっかり忘れてたf(^_^;)

 

そんでお久しぶりの『何処でも良い』は朝5時半に家を出て帰って来たのが夜11時過ぎ。

 

走行距離にして1,000kmちょっと（スプロケ弄ってるので正確には判らない）。

使ったガソリン50L弱。

 

普段サーキットで使わない筋肉が久しぶりに筋肉痛になって、いまだに指先と顔に違和感がある気がするけど、ホント久しぶりの充実感っつぅか、やっぱりR1で距離走るのもサイコーに良い。

 

そして高速料金と燃料代の請求が今から恐ろしい…カードって怖い（笑）